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ルアー · カーペンター · ヒラマサ

BFは16回釣って、20kg超はゼロ——378日のルアー記録が語ること

2026-08-08 · fishingmap.fun

先に、この記事で絶対にやらないことを書きます。ルアーのは出しません。出せないからです。

10年分のルアー記録を数えていて気づきました。ルアーの名前は、釣れたときにしか書いていない。 釣れなかった日に「今日はγ250を投げた」と記録する動機はどこにもありません。だから「ルアー名がある釣行」を分母にすると、どのルアーも打率が跳ね上がる。

数字がそれを直接示しています。

釣行釣果あり
ルアー名の記載あり8173%
ルアー名の記載なし8050%

23ポイントの差。これはルアーの性能差ではなく、記録の付け方の差です。 最初に書いた原稿ではこれを見落として「このルアーは打率100%」と書いていました。数えるより先に、何を数えているかを疑うべきでした。

この記録の背景

ルアーのキャスティング釣行は161回、うち86%が遠征、は延べ378日。始まりは2015年12月、オーストラリア・トレス海峡でした(GT8本・5〜15kg)。つまりこの記事は10年ぶんの話です。 行き先は長崎と沖縄で7割強。離島へ飛んで、竿を出す日が3日ある釣りです(移動日は含みません)。

ルアー記録の大半が遠征のもので、関東圏はコマセと中深場が主。だからこの記事は事実上「離島遠征でのルアー選択」の話です。

そして——1回の遠征に飛行機と船と宿と実釣3日が乗っています。ルアーの選択は「その3日を捨てるかどうか」の判断になる。 これが以下すべての前提です。

積んでいく道具——3段の構成

記録を数える前に、そもそも何を持って行っているかを書いておきます。 ここは統計ではなく、 本人の申告そのままです。構成はほぼ固定で、遠征ごとに考え直してはいません。

ロッドリールラインリーダールアー重量
メイン(6本)BC4 8.3XXXH ×3 / BRIST 8.3XXXXH ×3カルカッタコンクエスト401XGPE6号100lb45〜250g
ライトカルカッタコンクエスト201XGPE4号60lb30〜75g
ヘビーモンスターキス/トラセン LAULAU などの怪魚ロッドStudio Ocean Mark 105PE10号120〜140lb

メインが6本というのが、この釣りの性格をよく表しています。 予備ではありません。 同じクラスを6本積むのは、折れと高切れを前提にしているからです。実際、2025年は本人が 「高切れの年」と総括しています。

リールはメインが全部カルコン401XGで揃っています。巻取長を101cmに寄せた話は 巻取長の記事に書きました。ライトの201XGはさらに小径なので、 その理屈をもう一段進めた選択です。

ここから先は、2つの層に分かれます

書き進めていて、本人にはっきり言われました。

これがルアーの基本選択で、持っていくルアーです。海域に応じた使い分けはまた別。

つまり層が2つあります。箱に何を入れるかと、箱の中から何を投げるか

何で決まるかいつ決めるか
積載(持って行くもの)季節と魚種家を出る前
使い分け(そこから選ぶもの)潮・ベイト・海面現場

この違いが、この記事の限界そのものです。 積載は海がどうなるか分からないうちに決める賭けで、 使い分けは目の前を見てからの判断。記録に残るのは後者の結果だけなのに、 選べる範囲は前者で先に決まっている。

まず積載から書きます。ここが固定です。

積む箱は、季節と魚で入れ替わる

遠征のたびに考え直すのではなく、モードが4つあって、それを選んでいるという感じでした。

春のヒラマサ

系統積むサイズ
γ45〜160 の帯
BF30〜160 の帯
SE100・150
120のみ
幻影60・120
舞姫60・120
ダムセル75・90
シンキングパンドラの小さいもの
気分転換SE250・γ250・歌姫250

秋のヒラマサ

100g以下はほとんど持って行きません。 同じ魚を同じ海で狙うのに、箱の下限だけが上がる。 春の並びから小さい側を抜いた形です。

GT

春の並びに、カーペンターの各種スネコン・ガチスラが加わります。 ポッパー系はダムセル・歌姫、そしてその中間がガラムです。

クリアに取り憑かれているとき

たまに「クリアでないと釣れない」という闇に取り憑かれて、別注ヒラマサをメインに、

シマノ系のクリアカラー。

このモードがある、というのが正直な話だと思います。データではなく、そのときの確信で箱が変わる。

チョンチョン釣りをやるとき

水平のタイラバのような形で、と動かすルアーが加わります。 その海域の定番(ローカルスタンダード)で、銘柄名は本人も把握していません。 「地元で皆が使っているもの」という単位で認識されている、ということです。

銘柄より、サイズと動きで選んでいる

チョンチョン釣りのルアーは、いまだに名前が分かりません。GTのポッパーも、聞かれて 少し考えてから「ガラムだった」と出てきました。10年投げてきた本人が、実際に投げている ルアーの名前をすぐには言えない。

これは記録の穴ですが、同時に答えでもあると思っています。選んでいるのは製品ではなく、 サイズと動きの種類です。ポッパーなのかシンキングなのか、何グラムなのか、クリアなのか。 銘柄はその条件を満たす手段にすぎない。

だからこの記事は「どのルアーが釣れるか」に答えられません。答えられないのではなく、 本人がそこを見ていないからです。

この並びが、下の集計をそのまま説明します

BFとγは30g台から160gまで帯で積んでいる。隼は120の1本だけ。

つまりBFとγはどの状況でも投げられる。隼はメインタックルの、それも特定の1場面にしか出てこない。

この記事の後ろに「BFは16回釣って20kg超ゼロ、隼は1回で34.8kg」という表が出てきますが、 その差の正体はここです。 性能の差ではなく、持って行く本数と帯の差。 数えて気づいたことではなく、最初から積み方がそうなっていたわけです。

そして「気分転換で250g」という枠が別にあるのも大事です。250gは主力の並びに入っていません。 投げたくなったから投げる枠です。

何を投げて獲ってきたか

打率は出せませんが、釣果が出た釣行の構成比なら意味があります。ルアーまで特定できる釣行は44回。

ルアー釣果の出た釣行シェア
ブルーフィッシュ(BF)1636.4%
γ(ガンマ)920.5%
ダムセル715.9%
SE613.6%
幻影49.1%
舞姫24.5%
ジョイクロ24.5%
別注平政24.5%
歌姫12.3%
パンドラ12.3%
12.3%

BFとγで6割。 自分でも「BF60が一番使う」と思っていましたが、シェアとしてもそのとおりでした。

ここからが本題

「その釣行で20kg超が出たか」だけは、記録バイアスが比較的小さい指標です。 大物なら記録が残る、という力は全ルアーに等しくかかるので。

ルアー釣果の出た釣行うち20kg超
11
γ93
ダムセル72
SE61
歌姫11
BF160
幻影・舞姫・別注平政・パンドラ・ジョイクロ110

BFは最も多く釣っているのに、20kg超が出た釣行はゼロ。隼は釣果の記録が1回しかないのに、その1回が34.8kgと26kgでした。

これを「隼のほうが優れている」と読むのは間違いです。投入場面が違うだけ。 BFは毎回投げるから数が出る。隼は「春の五島で大型を狙う」という一点にしか出てこない——実際、隼で獲った2本は34.80kgと26kg、同じ遠征のものです。

使い分けが、そのまま数字の形になっている。 私は無意識に「日常のルアー」と「勝負のルアー」を分けていて、10年たってから記録がそれを教えてくれました。

分母がある、たった1日の記録

「投げたのに食わなかったルアー」が書かれている日が、10年で1日だけあります。 2024年12月の五島。当時の投稿から引きます。

最初のバイトを出してくれた西表の船長のルアーに合わせてSE150シングルバーブレスを使い倒しました隼、BF、γ250・350もかなり投げましたが無反応でした。

エース3系統が全滅した日に、SE150だけが28・24・13kgを出しました(2024-11-30〜12-02の3日間の合計)。

ルアーローテーションを「波動を変える作業」だと思っているのは、この日の経験です。 好きな順に投げるのではなく、見切られたら系統を変える。そのために複数系統を持つ。

ただし——支えている記録はこの1件だけです。 ほかの日は「効かなかったルアー」が残っていないので、検証しようがありません。理屈としては信じていますが、データとしては1件です。

もう一方の層——現場での使い分け

ここからは箱の中から何を投げるかです。「その時々で様々」と前置きされたうえで、 それでも判断の軸は言葉になりました。

波——跳ねにくさで選ぶ

海面投げるもの
波が高いBF・隼・SE(跳ねにくいもの)。幻影を使うこともある
波が低いγ・舞姫・SE
何でも引けるが、ポッパー系を意図的に選ぶことが多い

軸は「跳ねにくさ」ひとつです。 波が高いとルアーが水面から飛び出す。飛び出さないものを選ぶ。

ここは自分の理解を1つ直しました。当サイトの古いメモには「急潮・潮波あり」という条件で 同じ並びが書かれていたのですが、本人に確認したら「潮の速さは、実際には波が高いでいい」見ているのは潮速ではなく海面でした。潮が速いから選ぶのではなく、波が立つから選ぶ。

ただし本人はここに但し書きを付けました。これはラインスラックの扱いの問題なので、 個人差が出る、と。SEは状況によってかなり引きづらいことがあるそうです。 つまり同じルアーでも、投げる人によって「跳ねにくい」の位置が変わる。 この一言があるので、上の表は「正解」ではなく「この人の場合」として読んでください。

ベイト——合わせるのは「大きいとき」だけ

魚探が見られるとき、が浮いていれば何でも食う。そのうえで 舞姫やSEを意図的に選ぶことが多いそうです。

そしてここがいちばん意外でした。

ベイトサイズはあまり気にしないのとき)。

ただし大きいベイトのときは大きいルアーを投げる。小さいベイトだからと小さいルアーを投げるのは稀(ナブラは別)。

合わせ方が片側だけなのです。 上には合わせるが、下には合わせない。 「マッチ・ザ・ベイト」を素直にやるなら両方向に合わせるはずですが、そうしていない。

反応がないとき——大きく、重く

160g以上、ポッパー、シンキングに逃げることが多い。特にGTはシンキング。

積載の話で「気分転換にSE250・γ250・歌姫250」という枠がありましたが、 あれは気分転換というより、行き詰まったときの逃げ場なのだと思います。

シンキングは2種を交互に落とす

パンドラ・ゼウス・ダーティングラピード(正式名称不明) の3種のうち2種を付けて交互に落とす。

それでもダメなときはガチスラを落とす。

1種類ずつ試すのではなく、2種を並行させて交互に入れる。 ここだけ手順が具体的です。 そしてガチスラは最後——カーペンター以外を出す順番が決まっている。

同船者と被らせない——船をひとつの実験にする

これが一番おもしろい軸でした。

同船者がいるときは、そのサイズを意図的に外す。 ペンシルばかりのときはポッパー、

小さいルアーばかりのときは大きいルアー。誰かに反応があれば、自分は一旦そこに寄せる。

船を1つの実験装置として使っています。 みんなが同じものを投げれば、その日の情報は1つしか出ない。 バラけさせれば、当たりを船で分担して探せる。 出たら自分はそこへ寄せる。 (ほかの人が寄せるかは分かりません。 そこは本人も「?」と言っていました。)

ただし、これは大人数のときのセオリーです。 ふだんは同時にキャストするのが3人程度なので、 そもそも被りません。7〜8人が同時に投げるような船——たとえば韓国の遠征——で効いてくる話です。

そして、そういう船ではルアーの選択が「隣が何を投げているか」に依存します。 選択が独立していない。 この記事の測定不能は、記録の付け方(釣れたときだけ書く)だけでなく、 大人数の遠征では選択そのものが外から決まることにも由来します。

全記録に及ぶ話ではありません。 3人で乗っている大半の遠征では、この効果は働いていない—— そこは正確に書いておきます。

記録に残っている組み合わせ

以上が判断の軸で、下は結果として記録に残ったものです。 「効いた」ではありません。

対象記録に残っているもの
ヒラマサ(長崎・韓国)隼・別注平政・γ・BF・SE・幻影
GT(沖縄・西表)ダムセル・歌姫・パンドラ・SE・γ
クエ壱岐・トップ)BF60だけ
淡水(マレーシア)ジョイクロ128にオールイン

ダムセルとγだけが、ヒラマサとGTの両方で20kg超を出しています。 ダムセルは西表30kg・相模湾約20kg・対馬16kg。海域も魚種もまたぐルアーです。軽くて操作が楽なぶん長時間投げ続けられるから、結果的に守備範囲が広い——そう読んでいます。

そしてクエ13kgを2本とも、BF60で獲っています。水深20mからトップで根魚を浮かせる釣りに、他のルアーが出てこない。理由は説明できませんが、事実としてそうです。

これから記録すること

いまのやり方では、ルアーの比較は永久にできません。 釣れたものしか残らないからです。だから記録の形を変えます。

投げたもの: 隼120 / BF140 / γ250
食ったもの: SE150

この2行を分けて書けば、初めて「投げたのに食わなかった」が数えられます。 2024年12月の記録が特別なのは、たまたま原文にそう書いていたからにすぎません。1シーズン続ければ、来年には本物の比較ができるはずです。


ルアーまで特定できる釣果は44釣行で、キャスティング釣行161回の27%です。掲載値はすべて data/author/fishing-profile/verify_stats.py で再計算できます。数えているのは魚の本数ではなく「そのルアー名が残っている釣行の数」です(1回の遠征で複数本出ても1件)。同行者が獲った魚は集計から除外しています(catch欄の (他者) マーカー)。ボウズは記録されにくく、同一釣行で複数ルアーを使った場合はどの魚がどのルアーか原則不明です(2024年3月の例は投稿原文でロッド・ルアー・魚が1対1で判明した例外で、34.8kgと26kgが隼120、18kgが別注ヒラマサ190)。キャスティングを始めたのは2015年12月(オーストラリア・トレス海峡。GT8本)で、それ以前の記録は餌釣り・中深場です。 2018年まではルアー記載が特に薄く、本記事は事実上2019年以降の姿です。20kg超の分母は一桁のものがあり、順序は読めても比率は読めません。

製品の一般的な特性については各メーカーの資料をご覧ください。本記事に書いたのは運営者自身の記録に現れた範囲のみで、他者の実績やメーカー公表の実績は含みません。

2026-08-08 追記。運営者本人の申告にもとづき、タックルの3段構成と、季節・魚種で入れ替わる4つの積み方を追加しました。集計の前に「何を持って行っているか」が無いと、シェアの数字が性能差に見えてしまうためです。あわせて、「積載(持って行くもの)」と「海域ごとの使い分け」は別の層であることを明示しました——前者は家を出る前に決める賭け、後者は現場の判断です。チョンチョン釣り用のルアーの銘柄名だけ、まだ分かっていません。

2026-08-08 さらに追記。使い分けの軸(波の跳ねにくさ/ベイトは大きいときだけ合わせる/手詰まりは大きく重く/シンキングは2種を交互/同船者とサイズを被らせない)を本人申告にもとづき追加しました。同船者に依存して選ぶという軸が出たことで、この記録からルアーの優劣を取り出せない理由がもう一段はっきりしました。シンキング1種の銘柄名(「ダーティングラピード」)は未確定です。チョンチョン釣り用のルアーは「その海域の定番」という単位でしか認識されていないため、銘柄名は追いません。

2026-08-08 訂正(3)。記事の「13年」は誤りでした。 13年なのは釣行記録全体(2013年7月〜。餌釣り・中深場を含む)で、ルアーのキャスティングは2015年12月から10年です。該当5箇所を直しました。数字の出どころは verify_stats.py の【期間】に出ます。

2026-08-08 さらに訂正。①ベイト極小に小さいルアーを合わせる、という古いメモの記述は誤りでした(本人確認済み・実際はやらない)。②「急潮・潮波あり」という条件は、実際には「波が高い」と読み替えるのが正しい。見ているのは潮速ではなく海面です。③波が高いときに幻影を使うこともあります。④同船者と被らせないのは7〜8人が同時に投げる大人数の船でのセオリーで、ふだんの3人程度では被りません。⑤当たりに寄せるのは自分だけで、他の人がどうするかは分かりません。

Tide今月の潮 — 韓国式물때と3日窓

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